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一見可愛らしい顔をしたコイツは虹川由緒…所謂“できるヤツ”なのだが虹川にはいくつかの問題点が浮上する。
一つはコイツがあっち系なのだと言うことだ。
しかもそれを知っているのは俺だけらしく、非常に困っている。
こうやって時折俺のところに来ては仕事の話と言い付けて横に来るのだ。
「ねぇ、主任……」
「何?」
「そろそろ返事、決めてくれました?」
耳元で囁かれる言葉は優しく、甘美だ。
そう、俺は数日前に男である虹川に告白された。
でも俺が付き合わない理由は単純にコイツのようなあっち系ではないから。
綺羅は別として、他の男になんてまったくもって興味はない。
何が好きで男と関係をもたないといけないのか。
「あのな、虹川俺はさ……」
「俺だと不満ですか?」
「いや、お前は俺以外にもっとイイやつがいるだろ…」
つーか俺ノーマルだし、とは言いにくくて毎回言えないでいるけど。
端から見れば端正な顔立ちをしている虹川には相手がよりどりみどりだったりする。
「主任がいいんですよ」
「でも…」
んなこと言われたって…どうにも受け止められない。
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