01

4/7
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「……っん…う…」 「あ、」 起きた?かな、やばいちょっと煩かったのかも。 柔らかい髪を撫でると、猫みたいに甘い声を寝言なのかよく分かんないけど発する綺羅。 …こいつ、本当に可愛いなぁー何か飼い慣らしたくなる。 「……ンー…爽ちゃん?」 「綺羅、」 「…だいじょーぶ?」 「何が?」 「切なそうな顔してる」 お前の、せい、だよ。大体他に誰がいるんだよ。 辛いのも嬉しいのも切ないのも全部ゼンブお前のせいだ。 いい加減、気付けばいいのに…天然で鈍感な君は気付いてくれそうにない。 「何かお前ムカつくね」 「初めてそんなこと言われた」 「だろうね」 今までイラナイくらい愛されてきたんだろうから。 いつだって君は温かい愛の中にいたんだから、初めてだろう。  
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!