一話 家に帰りたぁぁぁい!

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「やだ、て言うか無理。そこの小僧のせいで俺はこんな状態だし。すげー無理。超無理。」 肩を落とす二人を見て千恵は、罪悪感を……… 感じるはずもなかった。 「はぁぁぁ?何、人のせいにしてんのさあ!てか約束なら守りなさいよー!まおーだか知らないけどあんたならなんとかできるんでしょー!」 またキレる千恵。 黙る魔剣とシリアスな二人。 しばらくの沈黙に耐えきれなくなった魔剣は、口を開く。 「いや…まぁ…なんだ。そんならお前も責任取れ。故意か事故かは、関係ない。お前のせいでこんな姿のまんまなんだしな!」 「う…わかったよ!」 魔剣の言葉にシリアスな二人は、明るさを取り戻す。 「魔王殿!助けてくれるのか!」 「ああ。でも今の俺は魔法も使えんし戦えん。そこの小僧に俺を使わせる。魔力だけは無駄にあるみたいだしな。」 全員が千恵に注目する。 「ええー!私が戦うの!?」 「そうなるな。」 魔剣の声がフロア中に響く。 「ええー!やだー!」 千恵と魔王の出会いにより世界は、激しく動きを見せて行く。 そして人知を超える強大な敵と神秘に向かう千恵と魔王の二人。 彼らの物語は、今始まったのである。
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