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「千恵様。とにかく先を急いでください。このリザードマン達は、私が!」
中年の騎士は、そう叫ぶとトカゲ人間の群れへと剣を構え向かって行く。
「団長殿……あなたの死を無駄にはしない!ごめん!さぁ千恵様こちらへ!」
「えええー!」
青い髪をした青年に手を掴まれ千恵は、山をかけのぼって行く。
(団長のおじさん死んじゃうのかなあ……)
千恵が、まだこのわけのわからない世界に来て八日目。
団長のおじさんとは一昨日出会ったばかり。
それでも知人が死ぬのは良い気はしない。
自分がトカゲ人間の餌食になるのはもっとごめんだが。
「千恵様!もう少しです!」
「疲れたよぉ……」
「後少しです!ほら見えて来ましたよ!」
眼前には、例えるなら鳥居。
不気味な色をした鳥居がそびえ立っていた。
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