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『ピッチャー河島君に代わりまして、荒川君』
ピッチャーマウンドに、身長140cmほどの少年が上がった。この少年も昨年入団した5年生である。
右手のグローブは新品のようにピカピカだ。
「では投球練習を・・・」
「あ、大丈夫です」
少年は手で審判を制し、言った。
「なめやがって・・・」
サンダースは3番からの好打順。少年はゆっくりと振りかぶり、ボールを投げた。
(110km/hもねえ!)
ボールはあっさりと打ち返され、地を這うようなライナーで二、三塁間を抜ける・・・はずだった。
「おりゃあ!」
なんと、先ほど逆転ツーランを放った少年がそのボールをダイビングキャッチした。
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