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「お前もプール掃除なの?」
君は私の顔を見て、笑いながら言った
「あ…うん」
どうしよう…ドキドキする…
「かったるいよな」
「うん」
憎たらしそうな笑顔で
でも、すごくかわいかった
「名前は?」
「え?」
「名前」
「えっと…橘 涙海」
びっくりした…
いきなり聞いてくるから
「へー…変わった名前だな」
「よく言われる」
顔…緩んでないかな…?
すぐ顔に出ちゃうから…ばれないかな?
「…っ…お、俺は葵 爽星」
「爽星っていうのも変わった名前だね」
「まぁね…俺の事、爽でいいからな」
「わかった…」
私は恥ずかしくて下を向いた
いきなり呼び捨てなんだもん
「じゃぁ…俺は涙海でいい?」
爽は私の顔を覗きこんだ
うん、と私は頷いた
「よし、やるか…涙海」
「うん…そ…爽」
爽はフッと笑って、「よく出来ました」と、言って私の頭をそっと撫でた
そのせいで私の体温が上がったように熱かった
それが
私と君の出会いだったよね…
君は覚えてるかな?
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