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静かなはずの病院で、いつもどおりの足音が響く、午前10時3分。
「ユノひょん!いい加減静かにできないんですか?!」
何度も聞き慣れた声で今日もまた怒鳴られた。
俺は速度を少し落として振り返りながら挨拶をする。
「おっはよ!チャミ!3分も遅刻しちゃってんの!!見逃してよ!」
そう言ってまた走り出した後ろから盛大なため息が聞こえたけど、気にしない。返事なんかもともと待つ気なんてない俺は、目的地までまっしぐら。
早く、速くと俺の心臓が呼び掛ける。
早く、あの子に、会いたい。
会わせて。
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