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「え?力?普通に生きていけば別に力なんて必要……!!」
ありませんと言おうとしたボクは言葉を詰まらせ戦慄が走った。見えなかった。いきなりエルスさんの姿が消え、ボクの眼前に現れ首筋にピタリとステッキが当てられた。反応が全くできなかった。
先ほどまで柔らかな印象は鋭い物へと変わり、青い瞳はどんな名刀をも凌駕するほど危険に思えた。
『言うのを忘れましたがアルセインには魔物が多く存在します。その世界で新しく生きて行くなら力は必要不可欠です。…ただ、何の力も持たず生き返るかは貴方次第です』
力が無ければただ死ぬだけだと彼はボクに言って首筋からステッキを離した。
死んでいるのに一瞬殺されたと錯覚した。
『どうしますか?』
ボクから少し離れ柔らかい笑みで彼は問う。
力…生きるなら……必要
。持たずに行けば死ぬ。ボクは数秒で結論を出して口を開く。
「わかりました。一つは、その世界で最高の……身体能力を」
入院中寝たきりで移動は殆ど車椅子だったから…生き返るなら、丈夫でいたい。
「わかりました最高の身体能力ですね」
僕は無言で頷き思考する
もう1つは何にするか…エルスさんは好きな能力と、言っていた。
魔法は確かに魅力的だけど魔力切れはあるだろう…かと言って無限の魔力や、与えられた力をもらっても…嘘の人生に近い気がする…。
できれば自分を表す力を…でもそんな都合がいい力なんて……あっ!一つだけあった!
でも大丈夫かな、アニメだし…聞くだけ聞いて見ればいいか。
「あのエルスさん…もう1つはアニメの能力でも大丈夫ですか?」
エルスさんはニコニコと笑い、一言。
「ええ、大丈夫ですよ」
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