転界

6/14

5043人が本棚に入れています
本棚に追加
/485ページ
『まあ、あなたの心が造り出した空間ですから、落ち着くのは、当然ですよ』 エルスさんは、手を離しケラケラと笑う。 空間…ね…まあ、18年しか生きられ無かった人生だ。こんな不思議な現象?みたいな事も有るのでは、と一人ごちる。 「はあ…あの~所でエルスさんは、一体何をしにここに?」 するとエルスさんはピタリと笑うのを止め……真剣な顔で鋭い目を僕に向けて言った。 『朝霧くん…貴方は、心臓の病気で不幸にも死んでしまいました』 彼の言葉に両目を大きく見開いた。 何で知ってる! 震える口を開こうとした時エルスさんが言葉を紡ぐ。 『勝手ながら貴方の記憶を読み取らせて頂きました。その中で貴方が未だに望みを抱くのであれば……』 ──新しく生きて見ませんか?
/485ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5043人が本棚に入れています
本棚に追加