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「『オカリナ』………ですか」
貴島暁はもう一度確かめる様に呟く。
何ともほのぼのとしたイメージをするアパートの名前と、この仕事との結び付きに何だか違和感を抱いた。
「ああ…今夜はこの一件だけだ……そのまま直帰すると良い」
事務所の椅子に深々と腰かけた30後半くらいの、決して人相良くない男性がニヤリと笑う。
この人相の悪い男性は、暁の職場のオーナーの『柊(ヒイラギ)』だ。
「ホラッ……地図だ。このアパートの307号室らしいから宜しくな」
柊は暁に地図を投げ渡すと、暁は少し渋い顔をして受け取った。
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