307号室からの依頼

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クルリと柊は暁に背を向けたが、肩越しに柊は暁に鋭い視線を向ける。 「……お前…またクレーム来てたぞ。言葉遣いには気を付けろ……」 暁は、……はい、と小さく呟いて地図を握りつぶした。 パタン… 木造の扉を閉めて、暁はため息をつく。 きっとあのクレームはあの女だろうと予測しながら、ユックリと重たげに足を進めた。 直帰なので自分の車に乗り込み、地図で場所を覚えて暁はエンジンをかけた。 うぉんうぉん唸るエンジンの音を少し聞いた後、深呼吸をして車をアパート『オカリナ』まで向かわせた―――…
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