307号室からの依頼

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狭い路地裏を器用に抜け、恐らく目的地だろうアパートに着いた。 最初はアパートだと判らなかった。 建物にデカデカと『オカリナ』という看板が出ていなければ、恐らく通りすぎていただろう。 オカリナ…それはパッと見て、洋館に見えた。 洋館の上で風見鶏がクルクルと呑気に回り、庭には秋の植物らしきものが丁寧に育てあげられていた。 暁は近くの空き地付近に路上駐車すると、ソッと車を降りて洋館…いや「アパート」を見上げる。 ザワリと少し冷たい風が背後から吹いた。
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