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『オカリナ』という名前と『洋館風』のアパートは暁の頭の中で何だかピッタリ一致した。
だけど一致した途端、心の奥底でむず痒くなる様な…懐かしい様な感情が沸き出す。
暁の頭に過った実家の姿を振り払う様に、暁は足早にアパートへと入っていった。
蔦のアーチをくぐると中庭があり正面の壁に4つ扉がくっついていて、その左端にレンガ造りの階段がある。
その階段は二階で終わっていたが、その階の奥にまた小さな階段が1つだけあった。
見る限り206号室までしか無い所を見ると、階段の上に依頼者の部屋があるのだろう。
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