307号室からの依頼

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けれども、暁の生業とする仕事をするに関してはやはり一致しない。 そんな事をボンヤリと考えていると湯気をたてるココアをいれた、2つのマグカップをまあるいお盆に載せた女性が戻ってくる。 「どうぞ…」 「…どうも」 しなりとマグカップを差し出す女性の手は、怖いほどに白くて細かった。 だけど……綺麗だとも思う。 女性も向かいのソファーに腰掛けてココアを一口すする。 その姿を見て、暁は一口すするとココアは体にスッ…と染み渡った。 「とても…美味しいです」 自然と出てきた言葉に女性は少し恥ずかしそうに、ありがとうと言った。
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