307号室からの依頼

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暁はジロリと女性を横目で睨み付けると、無理矢理引っ剥がす。 「そういったサービスしてねぇから……ウザいっすよ?」 女性は不満げに唇を尖らすのを見て、暁はチッと舌打ちを鳴らす。 そんなにヤりたけりゃ旦那とイチャコラしとけよ… 「俺は二時間をアンタに売った……だけど俺の仕事は『性処理』だ。 俺はホストでも何でもねぇ…甘い言葉を囁いて貰いたいならホストでも行きな」 暁は襟を正して立ち上がると、黒いストレートの髪と一緒に耳のリングのピアスが揺れた。 背後で女性の憤った怒鳴り声が聞こえた気がしたが、その声はもう閉まった扉の向こうだ。
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