307号室からの依頼

5/26
前へ
/145ページ
次へ
高級マンションの中央玄関の自動ドアから出ると、スッとした秋の冷たい風が真夜中の街にソッと流れる。 眠らない街…… 数々の街灯と街の灯りをボンヤリと見つめながら、裸の万札を強く握る。 俺も随分と落ちぶれたもんだ… ハッ… 暁は嘲笑した。 一年前……眼前に立ち尽くす街にあったホスト倶楽部に暁は…かつてオーナー兼ナンバーワンホストとして燦然と輝いていた筈だった。 とある店から若くして独立をし、最初は全て上手くいっていた筈だったのに……
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加