二番

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知ってたよ。知っていた。 気付いたんだ。あなたがあんな悲しい顔をするのは久しぶりだったから。 枯れた花弁を千切り、手のひらに乗せた。 もう咲かない。咲き戻ることは無い。私達の関係も。時間は止まったまま。。 思い出す。あの頃を。 公園で寝ころがって、音楽を奏でて、テレビを観て、、二人乗りして、、 別に匂いなんかしないハズなのに、君はいい匂いがした。 何時かのクリスマスに、街のでっかいツリーの前でキスをした。 今を過去に押しやった。 現実に嘘ついて、二人は傷付いた。 きっと心は刺だらけだ。 こんな関係でも、思う。 大好き。大好きだよ。 離れたくない。 花を抜いたら、花瓶まで落ちてしまった。悲しい音が響き渡った。 別れよう 雨が降ってきた。ぽたぽたと、雨が。ソファーが濡れた。 何も見えない。視界が煙る。 覚悟してた筈なのに、、雨が止まない。 二人を繋いでた絆が消えて行ったのが解った。 落ちて去く花びらの様だった。 さようなら。ここまでだよ。もう振り向かないで、歩き出そう―――
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