銀のアスファルト1

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でも、認めたくなくて。 自分の中でそれを認めてしまったら、自分の存在理由がなくなる気がしていたから。 なんとか言い訳して、あいつのせいにしないと、やってられなかった。 自分は被害者だって、思いたくて。 それがなお一層、自分自身を追い詰める事にその時は気が付かなかった。 何を言ってももう遅いんだけど。 だって今、おれの足元に頃がっている男は何の力も持たない、ただの肉の塊なんだ。 あいつの身体から、だんだん体温が失われていくのが、おれの目にも明らかに解る。 おれが、どんなに努力してもかなわなかったあいつが、今、目の前で命と力をなくしていく。 同時に………。 不思議な感覚を、おれは感じていた。 あいつが、自分と同化していくような感じ。 あいつの身体から、魂が抜け出していくのを確認しながら、自分の心も肉体から持っていかれる様な気がしていた。 不思議な気分。 どうしてだろう。 随分とおかしな話かもしれないけど、幸せだったんだ。 やっとあいつと同じになれたって、どこかで感じてる。 その時、気付いた。 あぁ、おれはずっとこいつに憧れていたんだって。 こいつと同じになりたかった。 でもそれは、努力だけでは無理だったから。
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