銀のアスファルト1

2/13
前へ
/13ページ
次へ
ロックコンサートの帰り道、仲間とも別れて雨の降り出した道を一人歩いていた。 傘も持たずに。 気分はナーバス。 理由はわかりきっている。 家に帰っても退屈が待っているだけだから。 どこに行っても、誰と遊んでも楽しいなんて感じた事がない。 楽しいふりをするのは、うまい。 多分自分だけじゃない。 皆、そうだ。 気がついているはずなのに、知らないふり。 もしかしたら、役者になれるんじゃないかってぐらい、みんなでお互いに化かしあってる。 つまんないって思ってんのに、大声で笑いあったり、肩を叩いて親友ごっこをしてみたり。 なんの意味も無いのにね。 でもきっと必要なんだ、そういう事が。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加