銀のアスファルト1

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あいつに、そう言ってやったら、むちゃくちゃ血相変わってさ、限界って感じで手なんか震えてんだ。 それでいて、何も言い返してこねーの。 右手、ポケットの中に突っ込んだままでさ。 かっこわりー。 どんなに落ちぶれても、あーはなりたくないな。 とか、思ってたら、おもむろにあいつ、ポケットから手を出した。 ちょっと冗談だろって思ったね。 右手に何持ってたと思う? ナイフだぜ。 勘弁してくれって。 根性ないくせに、キレんなよ。 って言ったら、ヤバかったみたい。 なんかマジギレしちまった。 これって、俺のせいなわけ? いきなり刺してきやがった。 いってーって、思わなかった。 もー刺されたトコがさ、すっげー熱いんだ。 下腹のトコ。 痛くないんだ。
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