銀のアスファルト1

7/13
前へ
/13ページ
次へ
血が黒いって初めて知った。 視覚でね。 どくどくっつーか、だらだらっつーか流れてくんの。 このままじゃ、俺ヤバイんじゃねーかな。 どーしよって思ってあいつの顔見たんだよね。 でも、あんまり良く見えない。 周りが暗いって事もあるけど、視力下がってきたかも。 気がついたら倒れてるし。 すぐ近くの地面が冷たくて気持ちよくて。 なんかもーどうでもいいやって気分。 俺の血がたくさん流れてて、その上に雨が降り注いでて、アスファルトが銀にキラキラ光ってた。 目もおかしくなったのかな。 変な話だけど、今まで見た何よりも綺麗だって感じたんだ。 命の色だからかな。 意識のなくなる瞬間、こんな綺麗なモノを見せてくれたあいつに感謝、した。       ◇ その瞬間、おれは何も考えていなかった。 考えてたら、こんな事出来ない。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加