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いつだって俺はこの壊れかけの世界を見ていた。
この目は生まれた時からずっとそうだった………。
母さんの腹から出てきた時から俺の左目は、この継ぎ接ぎだらけのような世界を写してたんだ。
故に俺は狂った。
こんな脆い世界を見ていた俺は………。
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ある町の道の路地裏にまるで目に映るものを見たくないかのように眼帯をする少年がいた。
彼の名前は咲夜。
国柴咲夜(クニシバサクヤ)。
歳はこの間高校へと入学し16になったばかりだ。
左目には先ほど告げたとうり眼帯をしている。
彼はいったいこんな路地裏で何をしていたのだろうか?答えは簡単………。
単純なことだ。彼の右手に持たれている物と、彼の足元に散らばっているものを見たら理解できるだろう。
彼の右手には収納式の刃渡り15㎝ほどのナイフ。
そして彼の足元には真っ赤な水溜まりと、先ほどまで人間だったもの。
そう、彼がやったものだった。
彼は収納式であるナイフの刃を引っ込め、まるでなにもなかったかのようにこの場から去って行った。
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