いきなり100年経ったていいじゃない

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リストが空高く跳び、リオウがリストに向けて火球を放つ。 「まかせろってんだ!」 そして驚いたことにリストは、自ら火球に槍を突き刺した。 「だりゃああああああ!!!」 槍に火が纏い、リストはそれを手慣れた手つきで操る。 そして豪快に槍を回しながら、俺に槍を振り下ろした。 さすがにこれはまずい。 俺はそう思い、後ろへ飛ぼうとするが、………足が土に捕まえられていた。 ふとロックのほうに目をやると、片膝を付き、右手を大地に付けていた。俺の目線に気付いたのかニヤッと笑う。 足を捕らえているのはロックの魔法か………。 ピンチだな俺………。 「もらったあああ!」 俺の足を捕らえてる魔法に気付いていたのだろうリストは、勝利を確信したかのように大声を上げた。 「むう……。鉄に変身しても防げそうにない、か。」 ……仕方ない。この姿で勝てないのはわかりきっていたが、もう少し粘りたかったんだがな………。 ………土煙が上がる。 リストが振り下ろしたはずの炎を纏った槍は、眼前にいる敵を引き裂いたであろうとリオウとロックは思った。 しかし、……現実はそんなに甘くなかった。
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