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「な、なんで!?どうしてだ!?」
リストは叫ぶ。確実に倒したと確信までしたのに、………実際には振り下ろした槍は届かなかった。
止められていたのだ。
サクヤに。
土煙が舞う。槍の衝撃で上がった土煙はサクヤの身体を隠し、見えなくした。
リストですら、何故止められたか理解できていない。
そして。
「っ!?避けろリスト!」
何かを感じたのか、今まで傍観していたクラインが叫んだ。
止められたことに唖然としていたリストは、クラインの声を聞くなり後ろに飛ぼうとするが、遅かった。
「な、なぐおおっ!?」
土煙の中から黒い鱗に覆われた腕が現れ、リストを薙ぎ飛ばした。
リストは変な声を発しながらぶっ飛んでいった。
「な、何が!?」
リオウが疑問を言うが、残念ながら答えられる人は近くにはいない。
そして土煙が晴れる。
そこには、一体の黒いドラゴンがいた。
「黒竜だと!?あの動物型は何処へいった!」
リオウがまたも叫ぶ。
黒竜はグルルと唸りながら、リオウへ向かって翼を広げ、飛んだ。
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