精霊が住む世界

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「精霊……?」 その言葉の意味が理解できず俺は首を傾げる。 「そ、精霊。あなたも精霊でしょ?」 んなバカな……。俺はれっきとした人間だぞ。 だからそう、俺は狼などではない。 そう思ってた。いや、そう思いたかったんだ。 だけど俺は先ほど見てしまった。 腕を動かすつもりで動かしたものが前足が俺の視界に映り。 そして決定的な証拠に……少女の瞳に映っていたのは、一匹の真っ黒な狼が映っていた。 左目辺りに眼帯を着け、目を隠す狼はまるで………俺のようだった。 「どうしたの?」 少女の顔に釘付けになって動かない俺を心配した少女は、俺の目線に合わせるようにその場に座り込む。 「………」 言葉がでないとはこういうことだな。 狼となったことが今だ信じることができない自分がいる。 しかし俺は狼となったんだ。 その事実はしかと受け止めなければならない。 じゃないと俺はこの身体で生きてはいけないだろう。 「狼さん?」 「………咲夜だ」 「咲夜?」 意味がわからなかったのだろう。首を傾げながら俺を見る少女。 「俺の名前だ」 「そう♪よろしく咲夜。私はリフィって言うの」 リフィ……そう。それが少女の名前だった。
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