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「自己紹介ができたのはいいことだけど……、貴方はなんでここにいるの?」
その質問に答えることができない俺はただ顔を俯けるのみ。
だってわからないもんは仕方がないだろう。
起きたら狼になっていて、しかもそこが精霊とかい生物が住む場所にいたなんて………。
信じてくれると思うか普通。
だから。
「わからないんだ」
「わからない?なんで?」
「……記憶がないんだ」
俺は記憶喪失を装うことにした。
つーかここのことわからないんだから、これでここのことをよく教えてもらうことにしよう。
「記憶喪失………」
「そういうことらしいな」
リフィは手を顎の下に置き、考え込むような体勢をとった。
俺をこれからどうするか考えてるのだろう。
「……とりあえず、私のおじいちゃんに会いましょう」
リフィは笑顔で俺に言った。
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リフィと一緒に家を出て、数分歩いたところに広場があった。
広場は広く、中には子供達が楽しそうに遊んでいる姿が見えた。
その真ん中には楽しそうに一緒に遊ぶ、一人の老人がいた。
「あれが私のおじいちゃんだよ」
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