プロローグ

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梅雨入りする前の 陽射しが徐々に強まってきた頃のこと。時間が空いた私は前の職場の子とランチした。 静かなカフェのランチプレートは上品で美しく盛り付けられていた。 フォークやスプーンを使いながら、最近の仕事の様子を聞く。私は2年前 結婚するまで洋服の販売員をしていた。 「ちょっと、最近Travelerzっていうゲームサイトかなんかが流行ってるらしいんですけど、千晶さんご存知ないですか?」 唐突に話題を変えてきた。 彼女は2コ年下の愛理(えり)ちゃん。すごく人懐こく、素直でかわいらしい。 舌足らずなしゃべり方が彼女の魅力を増長している気がしている。
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