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会長が差し出した紙、
俺はそれを見て驚愕する
それは……
「風紀委員会プロフィール早見表!?」
「なんでそんなもんがあるんですか! あるなら早く出してくださいよー」
「まぁ、あれよ。なんかイキイキとしてる人を突き落とすのって……辛いじゃない?」
会長は、仕方ないわよね? というような顔で言った
「いや、今ずいぶん高いとこから突き落とされましたよ!?」
俺の努力って一体……
横をふと見ると、椅子にもたれている上条と目が合った
ざまーみろ、といった表情でニヤニヤしている
「はぁ、上条、もうギャルゲ貸してやんねーからな」
「はうっ!? それだけは辞めてほしーですの ヒキョーですの~!!」
上条は床をごろごろと転がり回る
しかしすぐに立ち上がり、自信あり気な顔になる
何か思いついたか……
すると俺の耳元まで寄ってきて、ささやくように言った
「なら、もう会長やさくら先輩のコスプレ写真はいらない、って事でよろしいんですのよねぇ?」
「ぐっ!?」
痛いところをつかれたぜ……
「し、仕方ない。上条、今回は和解といこうじゃねーか。お互いのためにな」
俺は『お互い』ということで
取引の平等性を強調する
「はい、もちろんお互いのためですの」
上条もどうやら納得したようだ
しかし、去り際に再び俺の耳元でささやく
「もうアリスには逆らえませんですの」
こ、こいつ……
どうやら俺の考えは
読まれていたようだ
確かに先輩達のコスプレ写真の価値はでかすぎる……
俺の『風紀委員会コスプレメモリアル』完成のためにも我慢するしかないか……
「なんの話?」
「いえ、なんでもないですよ」
「いえ、なんでもないんですの」
俺と上条は会長に笑顔でそう答えた
なんせ俺だけじゃなくて、写真の取り引きがバレたら上条もヤバいからな。
しかし、プロフィール表を見つめる会長は、なんだか不機嫌そうに見える
「あら、カエちゃん、どうしたの? やきもち?」
「なんでそうなるのよ! ただ……わたしのプロフィールのカップのサイズが……」
「えっ? カップがどうしたんですか? まさか会長……縮んだんですか!?」
「うるっさい!」
会長の回し蹴りがあごに決まる
「ぐへっ!」
俺の意識はそこで途絶えた
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