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ガシッ
「そんなことどうだっていいから、さっさと帰るわよ!!」
俺の手を取り、無理矢理引っ張るようにして歩き出す琴音さん。
「ちょ、ちょっと……」
半ば引きずられるように、俺も歩きはじめる。
正直、女子と手を繋いでいるので、少しドキドキしている。
女子と手を繋いで帰るのなんて、何年ぶりだろう?
下手すれば、幼稚園のころまでさかのぼるかも……。
春休みとはいえ、まだ少し肌寒いこの時期のせいなのか、琴音さんの手の平から伝わってくる体温が、とても温かく感じる。
とくに母さんの死で荒んでいる俺の心を、とても癒してくれる。
…………うぅぅ、道ゆく人々(てか、男子)の視線が痛い。
まぁ、知り合いがいないだけマシだけど……。
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