2章 不思議な3姉妹

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 ガシッ 「そんなことどうだっていいから、さっさと帰るわよ!!」 俺の手を取り、無理矢理引っ張るようにして歩き出す琴音さん。 「ちょ、ちょっと……」 半ば引きずられるように、俺も歩きはじめる。 正直、女子と手を繋いでいるので、少しドキドキしている。 女子と手を繋いで帰るのなんて、何年ぶりだろう? 下手すれば、幼稚園のころまでさかのぼるかも……。 春休みとはいえ、まだ少し肌寒いこの時期のせいなのか、琴音さんの手の平から伝わってくる体温が、とても温かく感じる。 とくに母さんの死で荒んでいる俺の心を、とても癒してくれる。 …………うぅぅ、道ゆく人々(てか、男子)の視線が痛い。 まぁ、知り合いがいないだけマシだけど……。
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