第一章、破壊神と呼ばれし彼女。

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「それが?」 「いや……僕も好きだよ、クラッシャーズの曲」 「あっそう」 由宇の言葉の端々に、爆発寸前のイライラが滲んでいる。チラチラと時計を見ている。 「…帰っていい? バンドの練習あるんだけど。遅刻しちゃうんだけど」 「あぁ、ごめんごめん。別にいいよ、帰ってくれて」 悟樹の言葉を最後まで聞かずに、由宇は教室を飛び出す。 と、由宇が走り去った後の床に、一枚の楽譜が落ちていた。 「……」 雑に書かれた反省文を机に置き、悟樹は楽譜を拾う。 さっき話題になった、クラッシャーズのギターの楽譜。 細かな書き込みが多く、裏側の隅には『ユウ』と小さく書かれている。 「…本当は嫌いだよ。クラッシャーズの曲なんて」 誰に言うでもなく、悟樹は吐き捨てるように言った。
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