第二章、創造神と謳われし彼。

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ぴろりろり、ぴろろ~♪ クラッシャーズのヒット曲『アンブレラ』の着メロが、しんとした部屋に響く。 「はいはい、はい……」 やや面倒くさそうに悟樹は携帯を取り上げ、通話ボタンを押した。 「もしもし、悟樹ですけど?」 『あ、サト? 俺々、俺だけど』 「詐欺なら結構ですが」 『ちょっとぉ!』 電話をかけてきた若い男の声が憤慨した。 薄暗い室内で口元を緩め、悟樹は微笑む。 「……どうかしましたか、リュウさん」 『どうもこうも、サト、今ちょっと来れるか?』 「国内なら」 『駅前のコンビニだ』 「行けます。ちょっと待ってて下さい」 そう言って、悟樹は電話を切りかけ、 「あ、リュウさんの他に誰かいます?」 『他? あー、リオがいる』 「了解しました」 今度こそ切って、そのまま携帯をジーパンのポケットにねじ込んだ。黒いニット帽を被り、黒縁の伊達眼鏡を掛ける。 そして、洗面所の鏡を見て、 「変装完了」 そう呟くと、黒いブーツに足を突っ込み、ワンルームのマンションを出た。
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