第二章、創造神と謳われし彼。

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「お、早いじゃねぇか」 悟樹が天乃橋駅前のコンビニに着くと、そのドアの前には二人の青年の姿があった。 見たところ、二人とも大学生ぐらい。片方はパッションカラーのキャップを被り、その下には白に近しい金髪。 もう片方は悟樹と似ている黒いニット帽で、やや長めの黒髪が覗いている。二人揃って、同じデザインのサングラスをかけていた。 二人の姿は、人通りの多い駅前でも、やたらと目立っている。 「んで、一体何の用ですか、リュウさん」 悟樹が訊ねると、パッションカラーのキャップの青年、リュウこと笹川龍次郎(ささがわ・りゅうじろう)が口を開く。 「リオが、金がないから奢って欲しいって」 「俺じゃねぇよ、サト。奢れって言ってんのはリュウだ」 黒髪にニット帽の青年、リオこと一条橋李音(いちじょうばし・りおん)が、不服そうに首を横に振る。 それを聞いて、悟樹は困ったように笑った。 「高校生に奢らせるなんて、困った大学生ですね」 「本当だ、困った大学生だ」 悟樹に続けて他人事のように言った龍次郎の足を、李音が無言で思い切り踏んだ。 「いてぇ! リオ何しやがる!」 「俺は知らん」 ふいっと明後日の方を向く李音。余程痛かったらしく、龍次郎は仕返しに李音の頭に平手打ちをかますと、 「とにかく、サト、何か奢ってくれ。金は返すから」 悟樹に情けなく言った。
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