第二章、創造神と謳われし彼。

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「そういえば、今日はマコトいないな」 李音の言葉に、悟樹が文字を綴るスピードが少し落ちた。 「マコト? どうせレポートの仕上げでもしてんだろ」 龍次郎がそう言うと、悟樹は肩を震わせて笑いだした。 「ははは、あっははは」 「何が可笑しいんだよ、サト」 「あはははは」 シャーペンを持つ手も震え、ただでさえ酷い字が判読不能の波線の集団に変貌していく。 李音が眉を寄せた。 「サト、字が」 「知ってますよ……あー可笑しい可笑しい……」 ひとしきり笑うと、悟樹はシャーペンを手から離し、グミを口に放り込んだ。 もぐもぐ、暫く噛んでから、悟樹はニヤリと笑う。 「マコトさん、今日はデートですよ」 「「デートぉ!?」」 龍次郎と李音が揃って叫んだ。 また悟樹が笑いこける。 「おいコラ、説明しろ」 龍次郎が悟樹の肩を掴む。 悟樹はまた楽しそうに言った。 「相手は男性ですよ? 同じ学部の先輩に、夕飯に誘われたらしいです」 そして、悪戯っぽい笑みを浮かべて付け足す。 「マコトさん、女顔で可愛いですもんね」 龍次郎は暫し絶句し、 「おい、リオ」 「ん?」 「サトってこんな奴だったか?」 「こんな奴だよ」 李音は何でもなさそうに笑った。
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