第二章、創造神と謳われし彼。

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闇から姿を現したのは、髪の長い少女だった。 由宇である。 「こんな夜中に出歩いて、また反省文書きたいのか?」 悟樹の問いかけに、由宇はクスクスと笑い声を漏らした。 「そんなこと言える立場? 風紀委員さん」 「あ」 そういえば悟樹も、同じ状態なのだった。 「ったく、髪は染めてる、カラコンは入れてる、挙げ句にタトゥーまで……」 「まさか、髪を見抜かれていたとはね。わざわざ焦げ茶色にしたんだけど」 「染めた髪は赤っぽい色になる」 そう言って、桔梗色の目を細める由宇。 今度は悟樹が笑みを浮かべた。 「神威さんも、カラコン入れてるんだろう?」 「あー、これ?」 自分の目を指し示し、由宇はまた笑い声を漏らす。 「私ね、クォーターなの。祖父がイギリス人でね」 悟樹が僅かに悔しそうな顔をしたのを、由宇は見逃さなかった。 「残念? 反省文書かせられなくって」 「別に。仕事が減ったから、嬉しいぐらいさ」 「あっそ」 「それじゃ、僕は──」 これで。 そう言おうとした悟樹の腕を、由宇が掴んだ。 「待って」 下手に抵抗すると吹っ飛ばされそうだ。 そう考えて、悟樹は振り向いた。 「何で、あんたは」 「え?」 「何であんたは、反省文とか書かなくていいのよ。カラコンに毛染めにタトゥーしてんのに?」 悟樹は目を細めた。 予想した質問とはいえ、あまり答えたくはない。 「……そんなに、知りたい?」 「知りたい」 「じゃあ、僕の部屋に来なよ」
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