プロローグ

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「ただいま」 真っ暗な部屋に向かって言った言葉は、闇の中へと吸い込まれていった。 一人暮らしには慣れたものの、家に帰った時のこの瞬間の寂しさは慣れない。 かばんをそのあたりに置き、さっさと部屋着に着替えると、冷凍してあるご飯と売れ残りの惣菜を温めた。 テレビをつけたものの、たいした番組もやっていない。 まぁ、日付も変わった時間帯だし、仕方ないか。 明日の天気を聞き流しながら、遅い夕食を口の中にかき込んだ。 今日の昼飯は14時半くらいだったから、10時間程食べていなかったわけで。 小さい頃は「一口30回、よく噛みなさい。」と言われたが、それをはるかに下回る回数で飲みこむ。 身体に悪いとか、そんな事は気にしてられない。 とにかく栄養を入れないと! ものの10分程で食事を終えると、苦しいお腹を抱え、そのままベッドへとダイブした。 どうしても早食いになるせいか、ついつい食べ過ぎてしまう。 太るよな・・・いや、それより先に胃が悪くなるかも。 横たえた身体は、睡眠モードにスイッチが切り替わったらしく、まぶたが重い。 うつらうつらとしながら、眠気と必死に戦う。 俺はこの睡魔に勝たないとといけないんだ! 目覚ましだけは絶対にセットしてからじゃないと、寝るわけにはいかない!! 起きられる自信、ゼロだし。 眠気と格闘しながら身体を起こし、携帯を取りだすと、またメールが着ていたことに気づいた。 今度はナルからだ。
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