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次の日の昼休み、
僕達は、
二人が使っていたであろう、
ノートの隠し場所を探した。
今さら、ノートをどうしていたのかを知っても、
亡霊に近付けるとは思ってはいない。
ただ、僕は何のために、
二人が図書室をよく利用していたのかを知りたかった。
二人の図書室を使用した関係が、
恋愛絡みではなかったことを
証明したかっただけなのかもしれない。
「うーん。
やっぱり、本と本の間にノートを挟むって隠し方だと、
無理があるかも。
誰かに見つけられてしまうかもしれないわね。
誰かの忘れものとして、
図書カウンターに届けられちゃうかもしれないし。」
「本の中に挟んだとしても、
その本が借りられてしまったらアウトだ。
絶対に借りられない本なんかがあれば別だけど。」
ミナとハルキが、本棚の周りをうろうろしながら、
小さな声でつぶやいた。
「だったら、難しい本ならあまり借りないんじゃない?
分厚い本とか?」
ミナがそう言った時、
僕はある本が目に止まった。
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