第一章(2)

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「タケル、どいて。 今さらそんな事を言っても、ナオミは戻ってこないの。 さぁ、リエ。お弁当を出して。」 サナエが言い放った。 そこには、つい数日前に、泣きながら制服を汚していた姿とは思えないサナエがいた。 「どうしたんだよ、サナエ。お前は出来るのか?こんなことが…」 「出来るわ。自業自得でしょ。 ナオミも同じ事をさせられていたのよ。」 サナエが厳しい顔で言った。 その後、キョウコが強引にリエのかばんからお弁当を取り出し、サナエに渡した。 サナエはそれを容赦なく床にぶちまけた。 続いて、マナミが言った。 「さぁ、早く食べて。 写真が撮れないでしょ。」 マナミは、小・中学校と性格の暗さを理由にイジメられていた。 しかし、このゲームが進むにつれ、サナエ同様、人が変わってしまったようだ。 さらに、マナミは続けた。 「さぁ、食べて。 もちろん箸は使ってはダメよ。 汚れた床はキレイになめてね。」 この状況を、僕は黙って見ているしかなかった。
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