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「タケル、どいて。
今さらそんな事を言っても、ナオミは戻ってこないの。
さぁ、リエ。お弁当を出して。」
サナエが言い放った。
そこには、つい数日前に、泣きながら制服を汚していた姿とは思えないサナエがいた。
「どうしたんだよ、サナエ。お前は出来るのか?こんなことが…」
「出来るわ。自業自得でしょ。
ナオミも同じ事をさせられていたのよ。」
サナエが厳しい顔で言った。
その後、キョウコが強引にリエのかばんからお弁当を取り出し、サナエに渡した。
サナエはそれを容赦なく床にぶちまけた。
続いて、マナミが言った。
「さぁ、早く食べて。
写真が撮れないでしょ。」
マナミは、小・中学校と性格の暗さを理由にイジメられていた。
しかし、このゲームが進むにつれ、サナエ同様、人が変わってしまったようだ。
さらに、マナミは続けた。
「さぁ、食べて。
もちろん箸は使ってはダメよ。
汚れた床はキレイになめてね。」
この状況を、僕は黙って見ているしかなかった。
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