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「二人ともこれを見て。」
「『我が街の歴史』?
随分背が高い本だなぁ。
それに厚みもあるし。
これがどうかした?」
ハルキが僕の隣に来て、小声でそう聞いた。
「この本。ケースがあるんだ。
国語辞典とか英和辞典とか、卒業アルバムなんかについてる本のケース。
その一つに『貸出中』ってシールが貼ってあるんだけど。
これって変じゃない?
普通ケースごと借りていかないかな。」
「そうね。
それに見て。
『貸出中』以外にも同じ本が二冊あるわ。
こういう本、この図書室ではあっても二冊くらいなのに。」
僕は『貸出中』とシールが貼られたケースを手に取った。
そして、中を覗くと一冊のノートが入っていた。
「これって、ショウタとナオミが交換していた
もう一冊のノートじゃないかな?」
ノートの中を見ると、
ミナの言った通り、
僕が前に探していたもう一つのノートだった。
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