第五章(3)

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図書室の一番奥の本棚にしまう、 確かにそれなら、 本棚の後ろから、 空のケースの中にノートがあることを、 見つけられるという心配はない。 それに、他にもう二冊同じ本があれば、 『貸出中』の本について問い合わせがくることも 少ないだろう。 パソコンで簡単に調べられるんだ。 『我が街の歴史』という本を、 高校の図書室で手にとる生徒は少ないだろう。 二人はアキラやリエに見つからないように、 ここに隠しておいたんだ。 「これで、また一歩前進ね。」 「それじゃあ、このノートはタケルに任せよう。 ミナはテニス部員への聞き込み、 僕は尾行、 お互いそれぞれの方法で調査して、 考えをまとめて、今日の夜また僕の家に集まろう。」 「わかった。じゃあ、今日の夜、ハルキの家にまた集まろう。」 そう約束して、 僕達は教室に戻っていった。
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