第六章(1)

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「ここからだと見づらいけど、 電気が点いていたのは、2年A組だった!」 こんな時間に、 教室で何をしているんだろう。 僕がそう考えていた時だ。 ミナが僕達に追い付いて、 「さっき教室の電気が消えたよ。 二人が教室を出たのかも。」 と言った。 このまま、屋上に向かうつもりかもしれない。 そう考えたら、 僕はじっとしていられなかった。 僕は門をよじ登り、 校舎に向かった。 どこも鍵がかかっていて、 中々、校舎の中に入ることができなかったが、 廊下に鍵のかかっていない窓があることに気付いた。 急いで学校の中に入り、 靴を履いたまま、 屋上への階段をかけていった。 真っ暗な学校の階段を、 屋上を目指してひたすらかけていった。 そして一番上まで到達した時、 屋上に入るためのドアが開いていることがわかった。 ショウタとナオミの自殺以降、 屋上へ向かうドアは、 厳重に鍵がかけられていた。 その鍵が壊され、開いているということは…。 僕は自分の想像した悪い予感が的中したことを確信した。
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