第二章(1)

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僕の秘密…。 あの日、僕に送られてきたメールには、こう書いてあった。 「タケル君の秘密。 タケル君の家族は、不幸な事故によって、崩壊した。 そのせいだろう。 タケル君の父親は、毎晩、女遊びを繰り返している。 大手一流企業に勤めているんだよね。 上司にこのことが知られたら、どうなるんだろうね。」 そして、写真が添付されていた。 父さんが、知らない女と腕を組んで、ホテルから出てくるところの写真だった。 どうゆうつもりで、このメールを送ってきたのかはわからない。 ただ、僕は父さんの秘密を以前から知っていた。 だから、この事実には、今更驚かなかった。 ただし、僕にゲームから逃れられないようにする効力は、十分あった。 父さんから、仕事を奪わないでほしい。 父さんを、これ以上苦しめないでほしい。 これが、僕の願いでもあるからだ。
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