第一章(1)

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「おはよう。タケル。」 「あぁ、おはよう。」 挨拶をかわしながら、周りのみんなの明るさに、今だに慣れない自分がいた。 これが2人も自殺者を出したクラスなのか、たった半年で何事もなかったかのようだと、タケルは感じていた。 僕だけなのかもしれない。いつまでも引きずっているのは。 そんなことを考えながら、始業式やクラスのホームルームの時間を過ごしていた。 僕は時折、2つの空席を見つめながら、担任の前田先生の話を聞き流していた。 そんな時だった。僕の携帯がメールを受信した。 いや、僕だけじゃない。クラスメイト全員の携帯がメールを受信したようだ。 みんなが携帯をいじっている。 「こら、誰だ携帯を鳴らしているのは。」 前田先生の注意がとぶ。 僕は前田先生に気付かれないようにして、メールの差出人を確認した。 その瞬間、頭の中が真っ白になった。 そこには「ショウタ」と表示されていた。
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