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「え?誰が?」
「いや、アンタが。」
「むむむ、無理だよ!
だって、最近は意識しちゃって、ろくに挨拶も出来てないのにさ…。」
「でも、行かないと取られちゃうかもよ?」
「そ、それは…。」
「ま、行ってみたら?
女は度胸よ。土俵に出ないと相撲はできないわ。」
「た、確かに、そうだけどさ。」
「もう、焦れったいなぁ。取られちゃうってもいいわけ?」
「それは嫌!!
違う女と一緒にいるなんて、想像もしたくないもん。」
「じゃあさ、答えは一つだよね。」
「う、うん。
分かった…。」
「大丈夫だって。アンタ、友達多いんだしさ。
ちょっと調べれば、合コンの一つや二つ参加できるよ。」
「そ、そだよね。合コンに行けば唐変木のアイツだって私の気持ちに気付いてくれるかも知れないし。」
「そうだよ。だから、行動あるのみだよ、古川さん。」
「分かったわ。行動あるのみね。」
ガタッと椅子が動く音がし、立て続けにドアが開く音もした。
「行っ…行ってくる!」
「はいはい、行ってら~。さて、私は早くポテチを食わねば…。」
…
……ブツッ。
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