ダイビング

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袖で涙を拭い、そしてまた白線を目で追う。 暗闇で白線が霞む。 ぼんやりと頭の中で繰り返されるあの時の言葉 『…彼氏いるから。かれしいるカラカレシ…』 言葉の一つ一つが重しになって まるで海に沈んでいくように 底の深さを知らずにダイブしたあの日のように 水面の光が遠のいて 目の前が真っ暗になった。
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