恨み

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「男の子の部屋にしては、ずいぶんと片付いてるよね」 若葉はそわそわと周りを見渡し始めた。 とくにこれといった趣味がないボクの部屋には、ほとんど無駄なものがない。 いま腰掛けているベッドや、中央に丸机、座布団、正面の小型テレビ、あとは窓辺の写真立てくらいだ。 ふと、それまで宙をさまよっていた若葉の目が、写真立てのところで止まった。 一瞬、若葉の瞳孔が開く そしてまた何もなかったかのように目を泳がせた。
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