ダイビング

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ダイビング

既に日は落ちた 前を向く気にもなれず、道路に延びる白線を目で追いながら 歩く帰り道。 ボクの人生初のちっぽけな試みは、ぐだぐだと飛び出して そのくせに粉々に砕け散った。 もう二度と思いだしたくないはずのあの子が まぶたの裏で囁く 『ゴメン。私、彼氏いるから』 目を開くと、涙の色で染まった世界に蛍光灯の光が反射してキラキラと滲んでいた。
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