DUMMY

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―遠い、遠い…遥か遠い、場所。 時代も幾つか違うだろう。 スクラップヤードに棲む一体の機械が居た。 密やかに、約まやかに、慎ましやかに人知れず暮らしていたその機械は、名をダミといった。 とはいっても、誰がその名前を呼んでくれるでもなくただ名称としてその身に刻まれているだけ。 スクラップヤードには人も、動物も、植物さえも。 “生命”という概念は存在しなかった。 あるのは廃棄された鉄クズの山とほんの一握りの燃料。そして、彼だけだった。 『今日もまた今日が始まったよ』
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