四年後

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心の中で焦る。 あと1時間で遠くに行ってしまう。 ヤダ!!行って欲しくない。 もっと一緒にいて欲しい。 少女マンガの主人公みたいな事を 心の中で思う。 『私、あっちに行っても ちゃんと出来ると思う?』 尋ねられて僕は言う。 「出来るよ。 あれだけ頑張って出来ないわけないじゃん。」 『そっか。』 少し間があってから 「のど乾いた?」 『そうだね。 近くに売店あるし、行こっか。』 飲み物を二本と 可愛らしいキャラクターのストラップを持ち、レジに並んだ。 もちろん代金は僕。 「安上がりだけどプレゼント。 こんなんでスイマセン。」 『ううん、全然嬉しいよ。 ありがとう。』 と言って、 携帯に付けて笑顔で見せてくれた。 多分、 この時見た笑顔は、 一生忘れないと思った。 それから僕達は まず、何がしたい。とか 初海外だからドキドキする。とか 言葉通じるかなぁ。とかとか 昨日の夜から考えていた事 を話していた。 しかし、 搭乗時間まで、あと5分のとき。 ついに話題が尽きてしまい。 なにも話せないまま 最後の5分が終わった。
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