プロローグ

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ジリリリリリリ! 目覚まし時計の腹立たしい音が鳴り響き、俺の睡眠時間に終わりを告げた。 あぁ、さよなら俺の幸福タイム。 「よく寝たぜ…」 まだ叫び続ける、鬱陶しい目覚まし時計にかかと落としを浴びせ、大きく伸びをする。 いつも通りの朝。 首の骨を鳴らしながら一階に降りた。 「おはよう、母さん…あり?」 キッチンで朝ご飯を作っているはずの母がいない。 それどころか机に座って新聞を読む父すらいない。 「どこ行ったんだよ…」 仕方なくパンを取り出し、チョコをつけて食べることにした。 テレビのスイッチを入れる。 朝の星座占いは欠かさず見ている。 「今日の最下位はいて座のあなた!突然のハプニングに叫びだしてしまうかも!」 「げっ…いて座最下位かよ」 乱暴にテレビを消し、学校へ向かうために外へ出た。 「え…」 開いたドアの先に見たのは、空を飛ぶ車。空を走る少年。地面を凍らせて滑る少女。口から火を吐くおっさん。 「なんじゃこりゃぁあぁぁあぁ!!!!!」 俺は気絶した。
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