清正公記

戦乱再来

しかし、天下を制したのは猿面冠者こと羽柴秀吉であった。これで戦のない平和な世の中になる、民はほっと一息ついた。

ところが天下が治まり数年････、秀吉は大陸に進出しようという、荒唐無稽な夢を実現させようとした。

これには民のみならず各地の大名達からも怨磋の声が上がる。

ところが二回目の大陸への出兵まもなく秀吉は亡くなった。すると俄かに雲行きが怪しくなってきた。

秀吉によって無理矢理押さえ込まれていた大名達が不穏な動きを見せた為である。その中心とも云える人物が江戸の徳川家康であった。
家康は秀吉が亡くなると直ぐに全国の大名に手を伸ばし、自らの懐に取り込もうと画策し始めた。
秀吉亡き今、最大の実力者は家康である。大名たちは次々と家康に近付いていった。

日の本の端の地であるここ西海道に領地を持つ加藤清正もその流れに期せずして呑み込まれていくのであった･･････。